医療の専門分化 その5

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現代医学において、医療の専門分化が進んでいるが
その方向と全く逆の考えもある。
「総合診療医」というものである。
何でもオールマイティーに診て、ある程度なんでも処置できる医者だ。

いわゆる昔の町のお医者さん。

家庭医とか、かかりつけ医という存在である。

もちろん町のクリニックで手に負えない、専門的な処置が必要であれば

それに適した医療機関への紹介を行う。

いわば医療のコンシェルジュも兼ねるような存在。

「General Practitioner」(以下、GP)として
イギリス・イタリア・デンマークでは制度として確立されており
ヨーロッパの他の国でも、それに相当するものが多い。
日本でも1959年に厚生大臣あてにイギリスの医療を参考として
医療保障委員会から制度の設置が答申されたが
当時の医師会から非難を浴びて実現しなかった。
その半世紀後、2009年になって日本は経済協力開発機構(OECD)から
「不必要な専門医受診を防ぐための制度と、総合診療医の数を増やす」こと
そして「専門医の役割を明確にするべき」という勧告を受けているそうだ。
OECDは2009年7月に公式見解で
「健康増進のための最も費用対効果が高い方法は、GPによるプライマリケアである」としている。
しかし、日本ではこれらの制度は一部を除いて未だ実現していないし

普及にはほど遠い状況である。

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