良い熱・悪い熱 その7

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ショウガ・とうがらし・高麗人参

いずれも、長期常用して平均体温を上げるためには不向きである。

長期間続けるには副作用がありすぎるし、飲食によって体温が上がる持続時間が短すぎる。

更に言えば人間は恒温動物であるから、温めるだけ、あるいは冷やすだけという

どちらか一方だけに偏ったことを長期間続けるべきではない。

それは種々の漢方薬の処方をみればよくわかる。

人参やショウガの項で述べた、かなり危ない状態を脱するために、生薬を単味で使う場合もあるが

多くは、他の生薬を併せて処方する。

単味は、良くも悪くも効きすぎるからだ。

例えばみんながよく知っている<葛根湯>という漢方薬。

温めて発汗させる<麻黄(まおう)>・<桂枝(けいし)>・<生姜(しょうきょう)>

微温性で、他の薬の性質を緩和し脾胃の損傷を防止する<大棗(たいそう)>

以上は温める生薬。

様々な薬を調和し補益する<炙甘草(しゃかんぞう)>は温寒でいうなら中間の平性である。

そして、熱を下げたり体内の水分バランスを調整する<葛根(かっこん)>は涼性。

体内の血を補う<白芍(びゃくしゃく)>も微寒性で少し冷やす薬。

血は陰陽でいうなら<陰>なので、陰を補えば相対的に熱は取れて陰陽のバランスが保たれる。

温める薬だけでなく、冷やす薬や調整する薬などが絶妙に配合されている。


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