身体に刻まれたワザは簡単には忘れない。
彼の剣豪、宮本武蔵の著とされる『五輪の書』に
「千日の稽古を鍛とし万日の稽古を錬とす。能々吟味有るべきもの也。」とある。
長い時間をかけて、繰り返し繰り返し身体に刻み込んでいくのである。
心の傷をこれに置き換えて考えてみると、患者さんの苦しみが少しわかってくる。
例えば幼少時に親から虐待を受けていた人。
何年もの間、繰り返し繰り返し殴られたり蹴られたり、あるいは罵倒されたり。
そんなもの忘れられるはずがない。
忘れようとしても体が憶えている。心が、魂が記憶している。
身体に刻まれたワザを思い返さなくても勝手に身体が動くように
時が経ち忘れかけていても、心や魂が勝手に震えるのだから。
考えてみれば当たり前のことである。
それでも我々は立ち向かわねばならない。
患者さんの苦しみに。
医療者としてできる限りのことを。
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