甘すぎる!! その4

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何故、甘味を摂りすぎると良くないのか?

東洋医学では、甘・酸・辛・鹹・苦の5つを<五味>としている。


<鹹(かん)>以外は読んで字のごとく。<鹹>は「しおからい」、つまり塩味だ。

五味それぞれに性質があり、漢方薬では、その使われる生薬ごとに味がある。

例えば「辛い」味には散らしたりめぐらせたりする、発汗・行気の作用がある。

酸味は収斂(しゅうれん)と固渋(こじゅう)作用で、緩み過ぎたものを引き締める。

歩き過ぎなどで疲れている時に酸っぱいものをとると、疲労した筋肉を引き締めることができる。

このようにそれぞれに作用があるのだが、問題の<甘味>はどうかというと

まず<滋補>という作用がある。

生薬にもよるのだが、気を補ったり、血を補ったりできる。

そして、和中・緩急という作用もある。

これは漢方薬の配合で、異なる性質を持つ生薬を組み合わせる時に

いわゆる「つなぎ」になったり、効果がきつすぎる生薬の効能を緩やかにしたりする。

問題なのは、<滋補>の部分である。つまり<補う>作用。

一見して、とても体に良さそうな「滋補」という言葉。

「滋養強壮」なんて言葉があるくらいだから、なんの問題もなさそうだが


どの味についても摂取過多は良くない。

特にこの現在の飽食の時代は、栄養が行き届いている。

滋補の代表的な生薬のひとつが「人参」。いわゆる朝鮮人参とか高麗人参。

朝鮮半島から日本へ初めて伝わったのは739年と言われている。

その時代以降、江戸期頃までなら、栄養状態の悪い人が今よりも多くいただろうから

たくさんの人に有用な生薬であったろう。

しかし、現代ではほとんどの人には向かない。飲むとしても一時的かつ限定的で、

長期にわたって飲むようなものではない。

過去に何度もこのブログで訴えているが、

証(病気となる体のバランスの崩れのタイプ)にあわせて

鍼を刺すツボや、漢方薬の処方が選ばれるべきである。

身体によいからと、やみくもに漢方薬を飲んでも効かない。

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