むかご(零余子、珠芽)
山芋類の茎にできて、ぽろっと地面に落ちてそこからまた山芋が生える。
いわゆる種芋である。小さいけれど立派な芋なので生でそのまま食べられる。
塩ゆでにしたり、ご飯に炊きこんで零余子飯にしても良い。
山で遭難したら、貴重な食糧。しかも天然の山芋なのでとても体に良い。
漢方生薬では山薬(さんやく)といって、ヤマノイモ科のナガイモの根茎を使う。
補脾止瀉・養陰扶脾・養肺益陰止咳・補腎固精などの作用がある。
但し、平素より過食傾向の人には向かない。
ある患者さん。60代女性。
主訴は別にあるが、今日は腕が腫れて痛むと訴える。
前日に肺炎球菌のワクチン予防接種。
その数時間後から腫れてきたという。
普段から睡眠状態が良くなく、仕事も忙しくて
陰陽のバランスが崩れ、極端な陰虚状態。
そこへワクチンが入ってきたために起きた、一種の外邪侵襲。
ワクチン接種は、死んだ菌などを敢えて投与することで
免疫を働かせようとするものであるから
弱い毒を投与するようなもので、
健常な人であれば問題ないが、身体の状態が良くないものに打てば
弱い毒でも風邪をひいたり、ウイルスに感染するのと似た状態になる。
事前に相談してもらえればよかったのだが・・・。
体表観察をして、まず右の天枢に置鍼。
その後で、百会左に即刺即抜(鍼を素早く刺しすぐに抜く)
脈と舌は良い変化を見せるも、上腕の熱感と腫れはあまり変化がない。
休憩後にトイレへ行くと、赤いおしっこが出たと言う。
「先生、おしっこが赤いんですけど大丈夫ですか?」と不安げな表情。
しかし、腕の状態を尋ねてみると、楽になったとの事。
排尿して熱が降りたと判断。
元気に帰って行った。
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