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現代医療における専門分化の弊害の実例を挙げてきた。
これに対して、鍼灸治療は基本的には専門分化せずオールマイティーに診る。
最近は、<不妊専門>とか専門性をアピールしている治療院が少なくないが
基本的には何でも診ることができるのが、東洋医学の素晴らしさのひとつだと思う。
日々臨床していると、患者さんは様々な症状を訴えてくる。
あまりにその症状の種類が多すぎると、次第にそもそも主訴は何であったか
よくわからなくなり、忘れそうになるくらいの人もいる。
そんな時に、「これは診られるけど、これは分からない」などとは言ってはおられない。
その分、勉強も大変である。あらゆる病気の知識を得なくてはならないし
医学だけにとどまらず、様々な分野の知識も吸収しなくてはならない。
整形外科疾患なら当然、スポーツの知識や運動力学の知識が必要であるし
精神疾患なら、コミュニケーション能力なども問われる。
アトピーの患者さんなら、飲食の事はもちろん、日常に使う石鹸や洗剤のことも
知っておいたらアドバイスできる。
流行性の感染症の話題など、ニュースにもアンテナを張っていなくてはならない。
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