Hela細胞(ヒーラ細胞)というものをご存知だろうか?
先日、NHKで特集番組が放送されていたのを観たのだが
ある米国人女性の子宮頸がん細胞からとられた細胞組織で
20世紀後半における様々な医学的研究の発展に貢献した細胞である。
分かり易い代表例は、当時猛威を振るっていたポリオワクチンの開発である。
この細胞は、ヘンリエッタ・ラックスという女性が子宮頸癌の治療のために受診した病院で
手術により切除された腫瘍から取り出した細胞から培養されたものである。
当時のアメリカでは、そういった場合において患者さんの了解を得る義務はなく
手術で切除した物は病院のものであるという認識が一般的であった。
術後、放射線治療などを受けていた患者さんは数か月後に亡くなったが
彼女の癌から培養された細胞は独り歩きを始める。
当初、その細胞の出どころは明かされないまま培養され続け、
彼女の遺族は20年間もこの事実を知らなかったそうである。
最終的に、その細胞は人間1人分の細胞の数※よりもたくさん培養され
様々な研究室で利用されたのである。
そこには医学的な利用価値だけでなく、少なからず商業的な利益も発生したが
彼女の遺族はその利益の一部を受け取ることもできていない。
現在では、倫理的な観点からこのようなことはないとされているが
インフォームドコンセントの概念が生まれて
日本での普及が始まったのは、およそ25年前からである。
医学の知識・技術はもちろん大切だが、医療従事者の倫理の向上は
それ以上の大前提なのではなかろうか?
※ 人間の細胞の数は60兆個であるというのが定説であったが、
これには実は確たる根拠がなく、最新の研究では、およそ37兆個と言われている。
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