無我夢中

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武道を修行して、ある程度のレベルにまで到達すると


「集中する」という事に非常に重きを置くことになる。


もちろん初心者のうちから「集中すること」は大事なのだが


技術が伴わないうちは、わけがわからないので集中するも何もないのである。


しかし、一生懸命に技を会得しようとすると必然と意識が集中される。


いわゆる「無我夢中」というやつだ。


意図的に集中したのではなく、結果として「集中した」状態である。


鍼灸もまた然り。


患者さんを治療するようになって、最初の頃は無我夢中である。


すると技術も知識も乏しいのに、治ってしまったりする。


資格を取って1年が過ぎた頃に、勤めていた鍼灸整骨院にてそういう経験がある。


北辰会方式を学び始めたばかりで、まさに「無我夢中」であったのだ。


東北大震災の時に、都心の高層ビルの40階辺りにいた女性。


かなり長い時間、揺れがおさまらなかったそうだ。計り知れない恐怖であったろう。


10キロ以上の道のりを歩いて帰宅し、その後から喉の辺りのつまりを発症。


いろんな治療院に行ったそうであるが治らずとのこと。


無我夢中で「ここだ!」というところに鍼を打った。


わずか2回の治療で完治。


熟練者は意識して集中し、意図的にこの「無我夢中」の状態を作り出せるのである。


そして、蓄えられた知識と技術を総動員して治療に当たるのである。


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rogo_yoko

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