踊る脈

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患者さんが来院する。

準備をしてベッドに仰向けに寝てもらう。

症状などについて、簡単に話を聞いてから、脈を診る。

急いで来た人や、この暑い中を長く歩いて来た人は脈がいつもと違うことが多い。

平時の脈と違うので、診断材料とならない。

しばし休憩させて、落ち着かせる。

師匠はよく、「脈が踊っとる!」と表現していた。

5~10分寝かせて、再び検脈する。

いつもの脈、或いはそれに近い脈であれば良い。

しかし休憩させても変わらないようであれば、何らかの病的な兆候を疑う。

そういうときの師匠の目は鋭かった。

わずかな異常も見逃すまいとする、険しい眼差しだった。


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rogo_yoko

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