治未病という考え方

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拳法の合宿の2日目の早朝

合宿所の近くにある湖の周りを散歩しながら皆でゴミ拾いをした。

パッと見にはきれいな湖のほとりであったが歩いてみるとやはりゴミがある。

1時間も経たぬ間に、大きなゴミ袋3つがいっぱいになった。

昔、拳法の師匠から言われたことを思い出した。

「ゴミを拾うことは素晴らしい。でも本当に素晴らしいのは捨てないことだ」と。

自分の家の前から近所まで掃除をするおばちゃんとか

ボランティアで公園や河原をゴミ拾いしながら散歩する人など

それ自体を否定するわけではない。

拾う人を見て、行動を改める者もいるだろう。

しかし、捨てる人間がいなければ、拾う人間は必要ないわけだ。

「捨てない」ということを教育していけば良いだけである。

どれだけ拾う人がいても、ゴミを捨てる人はいろんな場所で捨てる。

別の場所でもまた捨てるだろう。イタチごっこである。

『黄帝内経・霊枢』の逆順篇には

上工、刺其未生者也。
其次、刺其未盛者也。
其次、刺其已衰者也。

とある。つまり

すぐれた医者は、まだ病が発生していない時に刺す。(鍼治療をする)

それに次ぐ者は、病が発生しているが、邪気がまだ盛んでない時に刺す。

それに次ぐ者は、邪気がすでに衰えて、正気が回復しようとする時に刺す。」

東洋医学の「治未病」(未だ病まざるを治す)の考え。

ひいては「病まない身体づくり」にもつながるものである。

何が本当に大事なのか、いま一度見直すべきである。



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