マリアージュ

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マリアージュ(mariage)

フランス語で<結婚>という語だが、そこから転じたある使い方がある。

別々のものがひとつになって、あたかも最初から一つのものであったかのように

絶妙に調和することを<マリアージュ>と言うらしい。

例えばチーズとワインで、その味と香りがとても合うことを指してこう言うそうだ。

料理に関していえば味と香りが合うものであるわけだが

東洋医学的に、「これはマリアージュだな」 と感じるものがある。

例えば<肉とパイナップル>である。

ブラジル料理のシュラスコという肉の串焼き料理では最後に焼きパイナップルを食べる。

パイナップルの原産地はブラジルなので、その他の国で肉と共に食べられるのは

ブラジルの習慣が伝わったものであろうか。

このパイナップル、東洋医学的には<湿熱>をとる作用がある。

脂っこいものや甘味の食事、飲酒などで体内に生成される<湿熱>を解消するので

コッテリとしたものを食べすぎた後の下痢などに良い。

ただし、冷やしたものを食べすぎると、かえって悪化させる可能性があるので

食べ方と食べる量に要注意。

そういう意味で、肉を食べた後に焼いたパイナップルは<マリアージュ>なのである。

中国の漢方薬膳料理や、日本の伝統的な料理ならこのような絶妙の食べ合わせは珍しくないが

東洋医学の考え方のないブラジルで、こういう食べ合わせがあることに驚く。

おそらくは習慣的・経験的にたどり着いたものであろう。

東洋医学も、元来は経験医学の蓄積である。

こういう意味でも、歴史の偉大さ、学ぶことの多さを感じずにはいられない。


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