北辰会方式の鍼灸治療では、患者さんの生活習慣などから病の原因を探るために
非常に詳細な問診をとることは、これまでにもこのブログで紹介してきた。
初診時に書いてもらう専用のカルテがあるのだが
大きな紙が3~4枚、それも両面である。
非常によくできたカルテで、様々な情報を網羅できる。
しかし、さすがに患者さんの靴の種類までは書かないし、聞かない。
鍼灸資格をとったばかりの頃、勤めていた鍼灸接骨院にて
足の痛みを訴えるおばちゃん。両足の太ももや足の脛などが痛いという。
触れると、全体に筋肉の緊張が強い。
その当時はまだ北辰会方式の勉強を始めたばかりで
鍼1本で治すような知識も技術もない。
足の緊張してるところ、至る所にブスブス刺していた。
やればやっただけ、とりあえず筋肉の緊張が解けて痛みが楽になる。
でも2日も経てば元通り。また痛くなる。
何回治療しても同じことの繰り返し。いたちごっこ。
ある時、治療してる時に患者さんがぽつりと喋った。
「毎年こんな感じに痛かったんだけど、もう少し経つと楽になってくるんですよ」
「???、どういうこと?」
「夏になると痛くなってきて、秋になって涼しくなると痛みがとれるんです。」
その瞬間、ピーンと来た。
「あの、いつもサンダル履いて来てるでしょ、ここへ。夏はいつもずっとあれですか?」
「どこかちゃんとしたところへ行く以外は、普段はサンダルですね、夏は」
主訴が足の痛みなので、以前から歩く姿勢などを観察していたのだが
女性なのに、がに股で歩くのが気になっていた。
サンダルの場合、踵がないので脱げないように常に爪先を反らせた形で歩く。
もちろん年齢的な筋力の衰えも関係するのだろうが
おかしな姿勢でずっと歩き回っていたら、足が痛くなるのは当たり前である。
しかも、夏とはいえ素足でサンダル履きは下半身を冷やしてしまう。
踵のある靴に変えるよう指導したところ、すぐに足の痛みは無くなった。
問診とは丁寧に聞くだけでなしに、観察力や頭のひらめきも必要とする
非常に難しいものであることを実感した症例であった。
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