失敗から学ぶ

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奈良での修業時代。

2年目になって、少し鍼治療ができるようになったころ

自分の肩こりに対して鍼をしたことがある。

自分の腰痛や腹痛に鍼をして、一瞬で治った経験から、いい気になっていたのだろう。

ちょっと肩が凝るなと思い、休憩時間に手のツボに鍼をした。

よく診察もせずに、自分の体の歪みはこうだという思い込みだけで。

15分ほど鍼を刺しておいて、抜いてから起き上がった。

肩こりが治るどころか、首が全く動かなくなった。

どの方向にも全く動かない。

無理に動かそうとすると激痛が走る。

乗馬から帰ってきた師匠にお願いして、治療していただいた。

足のツボから刺絡(シラク=太めの鍼で傷をつけ、そこから出血させる術)をする。

間もなく、首が少し動き始める。

その後も何回か治療してもらい、全快となった。

鍼は人を癒やすこともできるが、使い方によっては悪化させることもできる。

頭では分かっていたが、己の身を以て実感した出来事だった。

そして、診察の重要性を再確認できる出来事でもあった。


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rogo_yoko

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